景色が流れゆく縁側。瀬戸内海を滑走する宿。様々なフレーズが次々に浮かんでくるような、今までに体験したことのない価値。

またとない機会を得て、ガンツウを初体験してきました。
本物の木材で仕上げられた軒と床にフレーミングされる景色は、時にゆったりと、時に目まぐるしく移り変わり、いつまででも眺め続けられる光景でした。基本的には10ノット程度(速度に換算するとおおよそ倍となるとのことで、時速では20km程度)で航行するとのことで、その速度感も風景をより良く感じることに寄与しているように思えます。

垂直と水平。建築では当たり前のことが造船では当たり前ではないそうです。ドッキングとは造船用語が起源のようで、バラバラにつくられた船体のパーツが溶接されて一体化されていく様をあらわした言葉であることを初めて知りました。

溶接による歪みがそのまま立ち上がり、製造中は丸太に支えられている船舶では、基準となるべき水平や垂直が存在しないとのこと。
そのような状況の中、陸地にある木造宿であるかのようなガンツウを実現するためには、歪みを内包しながらいかに軒のラインを水平であるかのようにかたちづくるのは至難の業だったそうです。
そのような建造中の苦労話を聞けば聞くほど、このガンツウの存在が奇跡的であることが分かってきます。
海の縁側を堪能する。世界を見まわしても類を見ない体験をもたらしてくれるガンツウ。ぜひ次回は泊まってみたいという思いを強くしました。


興味を持たれた方はぜひ。

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